
「シェリー酒」が紡ぐ、極上の辛口と甘美な香りの世界
|著者: hik
スペインが生んだ「変幻自在」なワイン
シェリーはスペインのアンダルシア地方で作られる酒精強化ワインですが、その最大の特徴は「幅の広さ」にあります。
淡い麦わら色でキリッとした辛口の「フィノ」から、琥珀色で芳醇な「オロロソ」、そしてデザートのように濃厚で甘美な「ペドロ・ヒメネス」。
これらがすべて同じ「シェリー」というカテゴリーにあることに、初めての方は驚かれます。
カクテルの表情を変える「アドニス」
ドライシェリーを使ったカクテルといえば、私は「アドニス(Adonis)」を思い出します。
ドライシェリーとスイートベルモット、オレンジビターズ。
酒精強化ワイン同士が手を取り合うこのカクテルは、アルコール度数は控えめながら、驚くほど重厚でハーブの香りが複雑に重なります。
バーで「最後の一杯をアドニスで」と締めくくるお客様は、間違いなく「粋」を知る方です。

クリエイティビティを刺激する「素材」
私自身、現役時代はオリジナルカクテルのベースやアクセントにシェリーを多用していました。
シェリーには独特の「ナッツのような香ばしさ」や「程よい酸と塩味」があります。
これがフルーツやフレッシュハーブと非常に相性が良く、スピリッツ(蒸留酒)には出せない、味わいの「厚み」と「締まり」を一杯に与えてくれるのです。
結びに
ストレートで楽しむのはもちろん、カクテルの隠し味としても無限の可能性を秘めたシェリー。
「今日はいつもと少し違う、深みのある一杯が飲みたい」
そんな夜は、ぜひバックバーに並ぶシェリーのボトルに注目してみてください。
もしくは冷蔵庫で冷やされてますので、バーテンダーに聞いてみてください。
その一本が、あなたの知らない新しい味覚の扉を開けてくれるはずです。
