
「苦手」は隠さない。大人のスマートな伝え方が、次の一杯を最高にする。
|著者: hik
黙って残すのは「エラーログ」を残さないのと同じ
バーで提供されるおつまみ。
もしその中に苦手なものがあったら、あなたはどうしますか?
「せっかくの厚意だから」と無理をして食べたり、あるいは申し訳なさを感じながらそっと残したりしてはいませんか。
実は、プロのバーテンダーからすれば、「苦手なものは、ぜひはっきりと伝えてほしい」というのが本音です。
「申し訳なさ」の連鎖を断ち切る
食べ物を残してしまうと、お客様は「申し訳ない」と感じ、私たちは「お口に合わなかったのかな、体調が悪いのかな」と心配になります。
この状態は、お互いにとって決してポジティブなものではありません。
店が忙しそうだと遠慮してしまうかもしれませんが、あらかじめ伝えていただくことで、私たちはその分を他のものに差し替えたり、次回の構成を再考したりすることができます。
これは「わがまま」ではなく、心地よい空間を維持するための「情報の同期(シンクロ)」なのです。
「苦手」を伝えることが「最高のサービス」へのチケットになる
私が現場に立っていた頃、苦手なものや好みを伝えてくださったお客様のデータは、大切にアーカイブしていました。
- 「前回と同じく、〇〇抜きにしましょうか?」
- 「今日は味付けを、以前のように塩気少なめで作りますね」
こうして一歩踏み込んだサービスができるのは、お客様が最初の「苦手」を伝えてくれたからこそ。
一度伝えていただくことで、次に来店された時には、何も言わずとも「あなたに最適化された環境」が構築されている。
これこそが、バーという場所の醍醐味です。

スマートな伝え方の例
「すみません、これ苦手なんです」とストレートに伝えても全く問題ありませんが、少しだけ言葉を添えるとよりスマートです。
- 「申し訳ないのですが、〇〇が少し苦手で・・・
次からは抜いていただいて大丈夫ですよ」 - 「すごく美味しそうなのですが、実は〇〇が食べられなくて。
もし良ければ別の方に回してください」
結びに:長く付き合うための「自己開示」
良いお店と長く付き合っていきたいと思うなら、自分の好みを少しずつ開示してみてください。
あなたの「苦手」を知るたびに、バーテンダーはあなた専用の接客マニュアルを更新していきます。
その対話の積み重ねが、いつか「座るだけで最高の一杯と一皿が出てくる」という、至高の信頼関係をビルドしてくれるはずです。
