
300のレシピを脳にマッピングする。「忘れる」を前提とした、エンジニア的記憶のアルゴリズム
脳は「生きるのに不要なこと」を忘れる
「300種類もどうやって覚えたんですか?」とよく聞かれます。
脳科学の専門家ではありませんが、私が実体験から学んだのは、「脳は生きるために必要のない知識は捨てる」という残酷な事実です。
怖かったことや悲しかったこと、強烈に楽しかった思い出は、何年経っても忘れません。
それは脳が「生存に必要だ」と判断したからです。
逆に、単なる数字や文字列の羅列はすぐに忘れます。
レシピ暗記の極意は、いかにして脳に
「この知識は生きるために必要だ!」
と思い込ませるかにかかっています。
アルゴリズム1:「2のn乗」のタイミングで思い出す
記憶を定着させるために、私は「忘れる頃に思い出す」というプロセスをシステム化しました。
具体的には、「2のn乗」の日数感覚で復習を行います。
- 学習当日
- 翌日(忘れる前に刺激を入れる)
- 2日後
- 4日後……
忘却曲線に抗うのではなく、忘れそうになった瞬間に「再呼び出し(コールバック)」をかける。
これを繰り返すことで、脳は
「こんなに頻繁に使うなら、これは重要なデータだ」
と認識し、長期記憶のストレージへ移動させてくれます。

アルゴリズム2:垂直ではなく「水平」に覚える
多くの人がやりがちな失敗は、
「1つめのレシピを完璧に暗記してから、2つめへ進む」
という垂直方向の学習です。
これでは全体像が見えず、最初の方を忘れてしまいます。
私は「全体の粒度を粗めから細かめに」、横に層を重ねるように覚えました。
- 第1層(箱を作る):
カクテル名と「グラス」だけを全300種、1日で回す。 - 第2層(中身を入れる):
全ての名前から、使う「ボトル(酒類)」の画像を思い浮かべる。 - 第3層(変数を定義する):
そこに「分量」という細かい数値を当てはめていく。
カクテル名を見た瞬間、メモの文字ではなく、
「ボトルとグラスと分量メモが並んだ1枚の画像」
を右脳で思い出す。
この「画像キャッシュ」を脳内に作るのが、最も高速な検索方法でした。
アルゴリズム3:アウトプットで「思考をコネコネ」する
最後に、最も重要なのは「実際に使うこと」です。
私はラウンジで半日ひたすらカクテルを作り続け、学んだ知識を「活用」という実体験に紐付けました。
IT試験でも同じです。
模擬試験を解き、正解だけでなく「なぜ誤回答なのか」という周辺情報まで理解し、全体を何度も繰り返す。
慎重に橋を叩いて進むよりも、まずは粗い形で全体を捉え、実践の中で補強していく方が、成長のスピードは圧倒的に早まります。
ただ、初めに言いましたが私は脳科学者でも教師でもありません。
あくまでも参考に。
ご自身のやりやすいやり方に、少し手を加えてみたらいかがでしょうか。
